auひかりのマンションプランは「通信速度が遅い」という評判がよく見られます。
実は、お住いのマンションによって配線方式が違うので、「住むマンションによっては通信速度が遅い」というパターンがよくあるのです。
この記事では、auひかりマンションプランが遅くなる原因を徹底的に解説するだけではなく、その改善策についても詳しく書いていきます。
最後まで目を通していただければ、「auひかりマンションタイプの速度が遅いときに自分でできる解決方法」までわかる内容になっているので、是非読んでみてくださいね!
目次
①マンションの配線方式によって「速度や料金」が違う
auひかりマンションは速度がイマイチだという評判をたまに聞きます。
しかし、必ず遅いわけではなく、配線方式やプランによって速い遅いがあります。
auひかりマンションは下の表のように、最大速度100Mbpsのタイプと最大速度1Gbpsのタイプがあります。
auひかりマンションの速度が遅いと言われてしまうのは、最大速度100Mbpsのタイプのほうです。
マンションタイプと月額料金(最大速度100Mbps) |
|
タイプV | 16契約以上 3,800円
8契約以上 4,100円 |
都市機構デラックス | 3,800円 |
タイプE | 16契約以上 3,400円
8契約以上 3,700円 |
タイプF | 3,900円 |
マンションタイプと月額料金(最大速度1Gbps) |
|
マンションギガ | 4,050円 |
マンションミニギガ | 5,000円 |
マンションタイプごとの通信速度に差ができるのは、マンション内部の配線の種類や、装置の違いからです。
お住みのマンションごとに配線方式が決まっているので、通信速度や料金がマンションによって変わってきます。
②配線方式ごとの速度やプランの特徴
それでは早速、配線方式ごとの速度やプランの特徴について解説していきますね。
まず下の表にマンションタイプと配線方式をまとめます。
マンションタイプと配線方式 |
|
タイプV | VDSL方式 |
都市機構デラックス | |
タイプE | イーサ方式 |
タイプF/ギガ/ミニギガ | 光配線方式 |
2.1 光配線方式が1番速い
最大速度1Gbpsのマンションギガとマンションミニギガは、光配線方式になっています。
これは、KDDI局からマンション共有部まで光ファイバーで繋がっており、さらにマンション共有部から各部屋までも光ファイバーで配線されているタイプです。
auひかりマンションギガ/ミニギガはauひかりホームと仕組みは全く同じなので、auひかりホームと同じく速度が速いです。
ちなみにタイプFも光配線方式ですが、装置の違いで最大速度が100Mbpsになります。
2.2 VDSL方式は1番遅い
最大速度が100MbpsのタイプVはVDSL方式です。
VDSL方式は、KDDI局からマンション共有部までは光ファイバーで繋がっていますが、マンション共有部から各部屋までは電話線(メタルケーブル)で配線します。
電話線では速い速度が出ないので、遅くなります。
2.3 イーサ方式は光回線方式ほど速度は出ない
タイプEはイーサ方式です。
イーサとはEthernet(イーサネット)の略で、有線LANのことを指しています。
フレッツ系の場合はLAN配線方式と呼んでいます。
VDSL方式よりは速度が安定しやすいですが、使っているLANの規格が最大100Mbpsなので光配線方式ほどの速度は出ません。
2.4 住んでいるマンションで配線方式やプランは決まってしまう
マンションタイプは自分で自由に選べるわけではありません。
現在住んでいるマンションにどの設備が導入されているかで決定されます。
また、マンションギガ/ミニギガはタイプVやタイプEよりも料金が割高な点にも注目しておきましょう。
③なぜマンションタイプは速度が遅いという評判が多いのか
auひかりマンションが遅いと言われてしまう原因は、タイプV(VDSL方式)の影響が大きいです。
昔はNTTの加入電話が各家庭に1台あるのが当たり前だったので、たいていのマンションには電話線の配線がもともと備わってあります。
VDSL方式は、この電話線を再利用するのでもっとも簡単に光回線でインターネットが使えるので、1番利用者数が多いです。
光配線方式の場合は各部屋まで配線が必要で手間がかかるので、導入しているマンションが少ないのが現状です。
フレッツ系の回線であれば光配線方式のほうが一般的になりつつあるのですが、auひかりマンションはまだまだVDSL方式のほうが多いです。
最大速度が100Mbpsという理由以外にも遅い原因があります。
VDSL方式で使う電話線は、外部の干渉を受けやすく、速度が安定しません。
たとえば、蛍光灯のちらつきからノイズを拾い、電話線に混入して速度低下の原因になったりします。
それと、電話線は古くから使っている場合が多いので、劣化が進んでいるケースも多いです。
それに、そもそも電話線自体が減衰の大きいケーブルです。
通信を行うと電話線の中には電気信号が流れますが、信号の強さは電話線の距離が長くなるほど弱くなります。
なので、マンションの構造的に電話線部分が長い作りになっているところは、減衰が大きく、速度があまり出ないようになっています。
新築マンションであれば、光配線方式を導入することが多いので、だんだんVDSL方式は少なくなっていきます。
そうすれば、auひかりマンションが遅いと言われることもなくなっていくでしょう。
④他社回線と比較して、auひかりのマンションタイプは遅いのか
auひかりと比較する他社回線はフレッツ系です。
フレッツ系とは、フレッツ光と光コラボのことです。
フレッツ光と光コラボは同じ設備を利用するので、局からエンドユーザーまでの速度は同じになります。
フレッツ系もauひかりと同じく、配線方式によって最大速度が決まっています。
[フレッツ系マンション]
配線方式 | 最大速度の理論値 |
VDSL方式 | 100Mbps |
LAN配線方式 | 100Mbps |
光配線方式 | 1Gbpsまたは200Mbps、100Mbps |
[auひかりマンション]
配線方式 | 最大速度の理論値 |
VDSL方式 | 100Mbps |
イーサ方式 | 100Mbps |
光配線方式 | 1Gbpsまたは100Mbps |
表のように、両社最大理論値にほとんど違いはありません。
VDSL方式が減衰や外部干渉で速度が遅くなる点なども両社一緒です。
なので、違った視点から速度を比較してみます。
マンションタイプが遅いと言われる原因はVDSL方式です。
なので、光配線方式を使えばほぼ解決するのですが、光配線方式の普及率を比べるとフレッツ系のほうが多いです。
なので、マンション住まいの人はauひかりよりもフレッツ系にしたほうが光配線方式になりやすいので速度は速くなる可能性が高いです。
次に、同じ配線方式同士で比較した場合ですが、そのケースであればauひかりマンションのほうが速いです。
なぜかというと、フレッツ系ではPPPoE方式が多く使われます。
PPPoE方式だとプロバイダによって速度にばらつきがあります。
しかし、auひかりはIPoE (IPv4/IPv6) 方式でつながるので、どのプロバイダでも速度が同じですし、混雑に強いため速いです。
ただ、フレッツ系でもv6プラスやIPv6高速ハイブリッドなどを取り入れたプロバイダを利用すれば、IPoE (IPv4/IPv6) 方式になるのでauひかりと同じくらいの速度になります。
まとめると、速度に期待できる順番はおおよそ次のようになります。
1位:auひかりマンション光配線方式
1位:フレッツ系光配線方式でIPoE(IPv4/IPv6)
3位:auひかりマンションイーサ方式
3位:フレッツ系LAN配線方式でIPoE(IPv4/IPv6)
3位:フレッツ系光配線方式でPPPoE
6位:auひかりマンションVDSL方式
7位:フレッツ系LAN配線方式でPPPoE
8位:フレッツ系VDSL方式でPPPoE
もちろん、利用者によってバラツキがあるので確実ではないですが、この順位を目安にしてauひかりにするのかフレッツ系にするのかを決めると良いです。
⑤auひかりの速度が遅いときの対処法
それでは、auひかりマンションタイプの速度が遅いときの対処法について、解説していきます。
5.1 VDSL方式のマンションの場合は、ほぼ対策できない
auひかりマンションのVDSL方式を使っていることが原因の場合、ほとんど個人で対策出来ることはありません。
ただし、ノイズ混入や故障が原因だった場合はKDDIに問い合わせて点検をしてもらうことにより改善する可能性もあります。
5.2 光回線方式で遅い場合は、Wi-Fiやルータの原因が多い
光配線方式でも遅い場合は、Wi-Fiやルーターが原因のケースもあります。
マンションギガ/ミニギガでKDDIからレンタルできるホームゲートウェイはBL900HWが最新機種です。
それ以前の機種を使っている場合は、KDDIへ問い合わせれば最新機種に交換して貰えます。
Wi-Fiが遅い場合は、設定方法を見直してみましょう。
BL900HWでWi-Fiを利用する場合は規格が11nの450Mbpsが最大速度です。
2.4GHzと5GHzがありますが、2.4GHzよりも5GHzを使った方が速いです。
繋ぎ方は、ホームゲートウェイを裏返すとSSIDが2つ書いてあるので、5GHzのほうを端末で選択して設定すればOKです。
または、市販のWi-Fiルーターを購入してホームゲートウェイの下部に設置します。
BL900HWのWi-Fiよりもハイパワーな市販Wi-Fiルーターであればもっと速度が出る可能性があります。
⑥改善しない場合におすすめの乗り換え先
何をやっても改善しない場合は、回線を乗り換えましょう。
「auひかりではVDSL方式しか提供していないけどフレッツ系であれば光配線方式を提供している」というマンションも多いです。
乗り換え先のフレッツ系の回線が遅くては困るので、速度に定評がある回線を紹介します。
[ソフトバンク光]
基本料金 | 3,800円 |
乗り換えサポート | あり |
初期工事費 | 27,000円が実質無料 |
ソフトバンク光は、乗り換え時のキャンペーンが充実しています。
auひかりマンションを解約するときに発生する違約金(お得プランAが7,000円)をソフトバンクで負担してくれます。
初期工事費も月々1,000円の割引×24ヶ月で実質無料です。
また、ソフトバンク光を取り扱っている代理店が何社かありますが、代理店を利用すればキャッシュバックも貰えます。
ソフトバンクの代理店キャッシュバックはなかなか高額です。
通信速度についてはIPv6高速ハイブリッドが無料で契約できます。
光BBユニットレンタルの契約が必要ですが、通信速度には定評があります。
[ビッグローブ光]
基本料金 | 3,980円 |
乗り換えサポート | なし |
初期工事費 | 24,000円が実質無料 |
初期工事費は675円値引き×40ヶ月で実質無料です。
また、代理店を経由してビッグローブ光を申し込めば高額なキャッシュバックも貰えます。
auひかりマンションを利用していた方はauスマートバリューを利用していることが多いと思います。
ビッグローブ光でもauスマートバリューが利用できるのでおすすめです。
通信速度は、ビッグローブのv6オプション(無料)を付ければIPoE(IPv4/IPv6)方式で速いです。
v6オプションにはひかり電話ルーターまたはv6プラス対応ルーターが必要です。
⑦まとめ
auひかりマンションが遅いと言われてしまうのは、auひかりではVDSL方式のマンションが多いからです。
光配線方式であればむしろ他社よりもauひかりのほうが高速です。
auひかりマンションで光配線方式が利用できない場合は、フレッツ系(光コラボ)に乗り換えましょう。
光コラボを選ぶポイントはIPoE(IPv4/IPv6)方式での通信に対応しているかどうかですよ。
当委員会では、おすすめの光コラボであるソフトバンク光とビッグローブ光の一番お得な契約窓口についても、詳しく解説している記事があるので、気になる方は是非下の記事も見てくださいね!