2018年3月1日から、auひかりホームの高速プラン(5ギガ・10ギガ)が開始されました。
通信がさらに速くなるプランの登場ですが、「本当に速くなるの?」「料金がかなり高いんじゃないの?」と疑問に思っている方も多いでしょう。
この記事では、auひかりホームの5ギガ・10ギガのプランの特徴をメリットだけでなくデメリットも全て詳しく解説していきます。
「10ギガ・5ギガのプランがどんな方におすすめなのか」が分かる内容になっていますので、気になる方は是非最後まで読んでみてくださいね!
目次
①auひかりの10ギガ、5ギガプランとは?
まずは、auひかりの10ギガ・5ギガプランの基本的な特徴や注意点、料金について解説していきます。
1.1関東エリアの一部でしか現状使えない
auひかりホーム10ギガ・5ギガが2018年3月1日より受付を開始し、一部のエリアで利用できます。
提供エリア(2018年8月現在) |
東京・神奈川・埼玉・千葉
※一部のエリアを除く |
10ギガ・5ギガのサービスはホーム(戸建て住宅)のみです。
マンションでは利用できません。
自分の家でホーム10ギガ・5ギガが利用できるかはエリア検索で調べるか、または新規申し込みの際にKDDIが調べてくれます。
1.2 利用できるプロバイダは4つに制限される
そして、利用できるプロバイダも限られます。
2018年8月現在、ホーム10ギガ・5ギガで利用できるプロバイダは4つです。
対応プロバイダ |
So-net、BIGLOBE、au one net、@nifty |
1.3 1ギガのプランと料金があまり変わらない
一般的に光回線の通信速度は最大1Gbpsです。
auひかりの通常プランも最大1Gbpsなのですが、auひかりホーム10ギガ・5ギガはその名の通り、それぞれ最大10Gbps、最大5Gbpsの速度プランになります。
通常の5倍、10倍の速度になるのだから、さぞかし高い料金なのではないのかと思うかもしれません。
しかし、確かに多少料金は上がりますがビックリするほど高額な値段ではありません。
5Gbpsのプランに関しては、1Gbpsのプランと料金は同じです。
基本的な料金の考え方は、ホーム10ギガ・5ギガに加入した場合、「高速サービス利用料」が通常プランの料金に上乗せされます。
たとえば、ギガ得(2年契約)の通常プランは月額5,200円で、ホーム10ギガを利用したい場合に高速サービス利用料の1,280円が上乗せされて月額6,480円になります。
ホーム5ギガを利用したい場合は高速サービス利用料金の500円が上乗せされて月額5,700円です。
[高速サービス利用料]
プラン | 月額 |
ホーム10ギガ | 1,280円 |
ホーム5ギガ | 500円 |
これでもやっぱり高いと思う方もいるでしょう。
しかし、auひかり3年契約の「ずっとギガ得」にした場合、3年間は高速サービス料金が毎月500円値引きされます。
したがって5ギガのプランは1ギガのプランと料金が同じになるということです。
[ずっとギガ得にした場合の3年間の高速サービス利用料]
プラン | 月額 |
ホーム10ギガ | 780円 |
ホーム5ギガ | 無料 |
1.4 スマートバリュー加入で、4年目以降も500円割引
でも、3年経過した4年目以降が結局は高くなってしまうのではと心配されると思いますが、その点も大丈夫です。
auスマートバリューに加入すれば、4年目以降もずっと500円値引きが続きます。
実際はauスマートバリュー適用のために加入必須のひかり電話が月額500円するのでプラマイゼロですが、もともとauスマートバリューに加入したい人にとってはうれしい値引きです。
[スマートバリューに加入した場合のずっとギガ得4年目以降の高速サービス利用料]
プラン | 月額 |
ホーム10ギガ | 780円 |
ホーム5ギガ | 無料 |
これらの500円値引きは、KDDIの公式サイトだと「プロバイダはau one netであること」と適用条件に書いてあります。
しかし、他のプロバイダのサイトを確認すると、ちゃんと値引きについても記載があるのでホーム10ギガ・5ギガ対応のどのプロバイダでも適用可能です。
毎月の支払額の例を挙げます。
表は、「ずっとギガ得(3年契約で1年ごとに料金が下がっていくプラン)+ひかり電話(スマートバリューの条件500円/月)+高速サービス利用料(割引済み)」で計算した実質支払額です。
1.5 毎月の支払い料金(ひかり電話込み)
[ずっとギガ得ホーム10ギガ]
利用年数 | 支払金額 |
1年目 | 6,380円 |
2年目 | 6,280円 |
3年目 | 6,180円 |
4年目以降 | 6,180円 |
[ずっとギガ得ホーム5ギガ]
利用年数 | 支払金額 |
1年目 | 5,600円 |
2年目 | 5,500円 |
3年目 | 5,400円 |
4年目以降 | 5,400円 |
もう一度言いますが、上記表はひかり電話(500円/月)も込みです。
なので、ホーム10ギガは思ったほど高くありませんし、ホーム5ギガに関しては1Gbpsのプランと料金が同じです。
1.6 初期工事費は無料
次に、初期費用についてです。
新規登録料3,000円と工事費37,500円かかります。
これは、通常プランと同額です。
ただ、auひかりでは「初期費用相当額割引」があるので工事費に関しては実質無料にできます。
初期工事費無料キャンペーン |
|
内訳 | ネット-125円(毎月)
ひかり電話-500円(毎月) |
合計割引額 | 工事費37,500円分が実質無料(毎月625円割引×60回) |
注意すべき点は、60回の割引で実質無料になるので、年数にして5年とけっこう長いです。
途中で解約してしまうと割引も当然修了し、残りの工事費は一括で支払う必要が出てきます。
②通常の1Gbpsプランとの違い
続きまして、1ギガのプランと高速プラン(5 ギガ・10ギガ)との違いについて、解説していきます。
2.1 利用する宅内機器のスペックが違う
auひかりの1Gbpsプランとホーム10ギガ・5ギガは利用する設備が違います。
宅内側の設備は、ONUが1台とホームゲートウェイが1台の組み合わせで利用します。
この点は1Gbpsもホーム10ギガ・5ギガも同じです。
ただし、使う機種が違います。
1GbpsプランのONUはGE-PON-ONU。
ホーム10ギガ・5ギガのONUは10G-EPON-ONUを取り付けます。
ホームゲートウェイは、ホーム10ギガ・5ギガが有線10Gbps・無線2.4Gbps対応のBL1000HWが貸し与えられます。
BL1000HWは1Gbpsプランで使うBL900HWよりも高スペックになっていて、一回り大きいサイズです。
ちなみに、ONUとホームゲートウェイはauひかり利用者に必ず無料で貸し与えられるものです。
よく勘違されるのが、ホームゲートウェイの利用料には500円かかるということです。
500円取られるケースはあくまでホームゲートウェイの無線LAN機能を開放させたい場合のみです。
無線LAN機能が要らない人は無料で使えます。
でも、スマートバリューに加入すれば無料でホームゲートウェイの無線LAN機能が使えます。
BL1000HWの無線LAN機能は11ax規格の2.4Gbpsなので、市販でもあまり売っていない高いスペックです。
なので、Wi-Fiを利用したい方は無線LAN機能を付けることをおすすめします。
ちなみにauひかりでは、2018年3月1日以降は新規でホーム1Gbpsプランを契約した方にも同じBL1000HWを貸し出しています。
しかし、そのまま使い続けることができないので1Gbpsから10ギガ・5ギガへプラン変更した際に新しいBL1000HWに交換します。
2.2 5ギガ・10ギガに変更すると撤去費用がかかるようになる
次に契約上の違いですが、1Gbpsプランではauひかりの「撤去費用」がありませんでした。
しかし、1度でもホーム10ギガ・5ギガにすると、auひかりを解約するときに光ケーブル撤去工時の費用が28,800円もかかります。
また、通常のauひかりの解約違約金も普通にかかります。
ずっとギガ得が15,000円、ギガ得が9,500円です。
それに、ホーム10ギガ・5ギガでは最低利用期間の縛りもあります。
12ヶ月以内に高速サービスを解約すると2,500円かかります。
③なぜここまで高速通信ができるのか
そもそも他社の1Gbpsやauひかり1Gbpsプランと、auひかりホーム10ギガ・5ギガは使っている設備が違うため、通信速度の上限が異なります。
最大が1GbpsのプランではGE-PONという通信技術を使い、所内にある光を出力する装置にGE-PON-OLTを取り付け、ユーザーの宅内にGE-PON-ONUを設置します。
しかし、ホーム10ギガ・5ギガは所内側を10G-EPON-OLTにし、ユーザー宅内に10G-EPON-ONUを設置しています。
PONはNTTがB-PON⇒GE-PONと進化させてきましたが、高速化のニーズに伴いこのたびKDDIが新しく10G-EPONを採用するに至りました。
それに、10G-EPONとGE-PONは互換性があるため、ホーム10ギガ・5ギガから1Gbpsプランへ戻したいユーザーは宅内装置を変更することなく利用が可能です。
ちなみにNURO光でも10Gbpsのサービスを提供していますが、NURO光はXG-PONを採用しています。
もともとNURO光は2GbpsのサービスでG-PONを使っていたため、G-PONと互換性のあるXG-PONにしたのです。
つまり簡単に言うと、所内の装置のスペックの向上です。
そして、所内の装置のスペックの向上に伴い、ユーザー宅内装置も高スペックの機器を取り付けるということです。
また、NTTのフレッツ光や同設備を使う光コラボなどがなぜ10G-EPONを採用しないのかとよく言われています。
別にKDDIができるのだからNTTができないことはありません。
なので、メリットがあると経営陣が判断すればNTTでも10Gbpsのサービスが誕生する可能性は十分あります。
④10ギガ、5ギガプランの注意点・デメリット
auひかりホーム10ギガ・5ギガの注意点やデメリットをまとめると、次のようになります。
- マンションは利用できない
- 提供エリアが狭い(東京・神奈川・埼玉・千葉※2018年現在)
- 対応プロバイダが少ない(So-net、BIGLOBE、au one net、@nifty※2018年現在)
- 解約時に撤去工事費が28,800円発生する
- 12ヶ月以内に高速サービス解約で2,500円かかる
- 10ギガは780円高くなる(割引適用済みで)
- 速度はあくまでベストエフォートなので遅い可能性もある
以上の点でいくつか気になるポイントを詳しく説明します。
4.1 解約時の費用が高い
まずは、解約時の撤去費用と高速サービス解約時の費用についてです。
先ほども1Gbpsプランとの違いの項目で書きましたが、解約時にどれぐらいの費用が発生するのか簡単にシミュレーションしてみます。
契約状況 | 発生する費用(初期費用・月額料金は除く) |
ずっとギガ得(3年契約)で10ギガを利用⇒10カ月目で1Gbpsプランへ変更⇒3年目の更新月でauひかりを解約 | 高速サービス解約料2,500円(プラン変更時に支払う)
光ケーブル撤去工事費28,800円 (工事費残債もあれば一括で支払う) |
ずっとギガ得(3年契約)で10ギガを利用⇒2年目で1Gbpsプランへ変更⇒3年目の更新月にauひかりを解約 | 光ケーブル撤去工事費28,800円
(工事費残債もあれば一括で支払う) |
ずっとギガ得(3年契約)で5ギガを利用⇒7年目でauひかりを解約 | 光ケーブル撤去工事費28,800円
ずっとギガ得解約違約金15,000円 |
ギガ得(2年契約)で5ギガを利用⇒10カ月目でauひかりを解約 | 光ケーブル撤去工事費28,800円
ギガ得解約違約金9,500円 高速サービス解約料2,500円 (工事費残債もあれば一括で支払う) |
このように、どうしても光ケーブル撤去工事費の支払が付きまとうので、毎月の基本料金以上に費用がかかることは覚悟しましょう。
4.2 通信速度は理論値なので、実際はそこまでは出ない
次に、通信速度がベストエフォートという点にも触れておきます。
ベストエフォートとは、「最大の結果が得られるように努力する」という意味です。
最大の結果とは、ホーム10ギガが10Gbps、ホーム5ギガが5Gbpsの速度です。
でも、現在1Gbpsを使っている人ならわかると思いますが、実際数値通りの速度なんて出ません。
だいたい最大値の2~3割出ればいいほうです。
でも確かに最大値1Gbpsプランよりも最大値10Gbpsのプランのほうが速度の速くなる可能性はうんと高くなります。
4.3 通信速度を速くするため注意点
ただし、ホーム10ギガ・5ギガを契約して最大のパフォーマンスを発揮させるためには必要なポイントがいくつかあります。
ホーム10ギガでレンタルされるホームゲートウェイのBL1000HWは、WAN側10GBASE-T(10Gbps)ですが、LAN側は4つあるポートの内10GBASE-Tになっているのは1つだけです。
残り3ポートは1000BASE-T(1Gbps)です。
なので、有線で10Gbpsを利用したい場合は10GBASE-Tの1つだけのLANポート下部にPC等の機器を取り付けなければなりません。
また、BL1000HWの10GBASE-Tに取り付けたとしても、LANケーブルが10Gに対応していないと結局は1Gbpsになります。
LANケーブルの規格でCAT6AやCAT7のものが必要です。
10G対応のLANケーブルは1G対応に比べ若干高いですが、2m程度であれば1,000円くらいで購入できます。
さらに、PC側のLANポートも10GBASE-Tに対応していなければやはりその部分がボトルネックとなり1Gbpsになります。
市販されているPCのLANは1000BASE-Tがほとんどなので、10GBASE-T用のLANボード・カードを装着するなどをします。
でもここまでくると素人には難しいですし、費用も2万円くらいかかります。
無線で利用する方はLANポートなど気にする必要はありませんが、BL1000HWの無線11ax(最大2.4Gbps)は、やはり端末側も11axに対応していないと利用できません。
その場合は、一つ下の11acの規格で繋がり速度は最大で1733Mbpsですが、実際は端末のアンテナ数の関係で867Mbpsか433Mbpsで繋がることが多いです。
11acにも対応していないと11nで繋がり、さらに速度は遅くなります。
⑤1Gbpsの通常プランと、10ギガ・5ギガはどちらが良いか
5.1 一般家庭では10ギガのプランは必要なし
auひかりホーム10ギガは、デメリットで述べたように毎月780円高くなりますし、撤去工事費もかかります。
さらに、そのパフォーマンスを最大限発揮するための端末側のスペックが追い付いていないのが現状なので、一般家庭で使うには宝の持ち腐れの気がします。
5.2 5ギガのプランはメリットが大きいからおすすめ
しかし、ホーム5ギガについてはメリットがある可能性が高いです。
まず、ホーム5ギガはauひかり1Gbpsと料金が一緒です(ずっとギガ得、スマートバリュー加入した場合)。
撤去工事費がかかるのはどうしようもないですが、少しでも速度を速くしたいのであれば使う意義はあります。
先ほど述べたように、端末側のLANポートの問題や無線LAN規格の問題があるので、たった1台だけの端末をネットに接続するのであれば5ギガのパフォーマンスを最大限発揮できないのであまり意味がありません。
しかし、複数台の端末をインターネットに接続する場合は話が変わってきます。
ホーム5ギガでauひかりを契約するということは、最大5Gbpsまでを接続端末でシェアできるということです。
1Gbpsをシェアするよりも1台あたりに使える帯域が広くなります。
たとえば、有線接続した1GLANボード搭載PCが4台ある場合、1Gbpsが上限のauひかりだとインターネットに同時接続すると、PC1台あたり250Mbpsの速度です。
しかし、5Gbpsが上限のプランであれば、PC1台あたり1Gbpsの速度で使えます。(あくまで理論値なので実際はもっと遅くなります)
これからの時代、あらゆるものがインターネットに繋がるIoT社会になっていくので、大元の光回線の帯域が広いことは、IoT端末の利用をしやすくしてくれます。
ただ、コストとのバランスを考えてauひかりホーム10ギガは高スペック過ぎるので、5ギガがちょうどいいです。
また、利用形態によっては従来の1Gbpsでも十分な人もいっぱいいます。
1人暮らしの人や、ゲームや映画などの大量データをダウンロードする機会があまりない人はauひかり1Gbpsでも十分満足できます。
まとめ
コストパフォーマンスを考えると、auひかりホーム10ギガはおすすめできません。
また、1Gbpsから10ギガや5ギガに変更しても必ず速度が上がる保障があるわけでもないという点も注意です。
また、auひかり1Gbpsは元々速度に定評があるので、まだauひかりを利用したことが無い方は、まずは通常プランから使ってみたらいかがでしょうか。
その後に、もっと速度が欲しいと感じた方が5ギガへプラン変更するという方法も良いかと思います。
等委員会では、auひかりを申し込む時に一番簡単にかつお得に契約できる窓口をご紹介する記事を書いています。
「auひかりの申込窓口はどこがいいのか」と迷っている方は、是非下の記事を参考にしてみてくださいね!